地域バイオマスで雇用創出 厚生労働省より
森林資源を活用した地域雇用機会の増大
(1)地域 :福岡県八女郡矢部村
(2)地域の現状
矢部村は福岡県の南東部に位置し、農林業を基幹産業としており、総面積の90%を森林面積が占めている。森林保全の推進は、水源確保や防災対策及び地球温暖化対策等の観点から必要不可欠である。しかし、林業の担い手不足により放置林野の拡大が進行し、森林保全が重要課題となっている。森林保全を推進するとともに、地域の雇用を創出する取組が急務となっている。
(3)地域で行っている取組
[1]森林施業の推進
主伐、間伐等の森林保全事業及び小径木工場による木材の加工事業を行っている。また、林道整備など、林業への就業環境整備を行っている。
[2]木質廃材処理事業の推進
バイオマス利活用推進による雇用創出を図るため、木質廃材の利活用の調査・研究を行っている。また、地域の民間企業では、のこ屑を利用した肥料化事業を行っている。
[3]林業の担い手育成
第三セクター(株)クリエイトやべにおいて、森林施業体験による林業の担い手育成を実施している。
[4]地域雇用創造バックアップ事業の活用
地域雇用創造調査研究事業を活用し、森林・林業振興及びエコ産業振興による雇用創造を図るための調査分析を行い、パッケージ事業の事業構想を構築した。
(4)課題
[1]森林施業に関する課題
小径木等の木加工品は、需要はあるが供給が不足している状況である。しかし、木加工業は収益性が低いため、需要があるにも関わらず積極的な雇用創出には結びついていない。また、育成した林業の担い手を受け入れる企業が少ないため、受皿企業の整備を進める必要がある。
[2]木質廃材処理事業の推進による課題
地域企業では、おが屑の利用推進による雇用創出を行っているが、雇用機会拡大のため、森林保全及び木加工に伴って排出される廃材の利活用を推進する必要性がある。
[3]林業担い手育成による課題
担い手の育成には実作業が不可欠であるが、指導員及び設備が不十分である。
[4]情報提供に関する課題
ITを活用した情報提供によって積極的な求職者の確保を図る必要がある。
(5)パッケージ事業での取組
[1]雇用機会創出事業
林業等雇用機会創出セミナーやバイオマス関連企業等雇用創出セミナーを開催し、事業主等に人材確保・育成を中心としたセミナー・相談を行うことにより、林業やバイオマス関係企業の拡充・創業及び誘致による雇用機会の創出を図る。
[2]能力開発事業
林業技能習得セミナーを開催し、林業での就業希望者を対象に林業に対する技能・知識を習得するためのセミナーを開催する。
(6)パッケージ事業実施による将来像
パッケージ事業を実施することで、求められる人材が育成され、企業の拡充・創業が進み、森林整備の推進にもつながる。併せて、地域において、バイオマスの利活用の推進とバイオマスを活用した地域特産品のブランド化も推進することとしており、森林保全の推進、地場産業の再生が見込まれる。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/chiiki-koyou/package/18/26.html
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