2007年2月6日付け東京都環境局より都営バスのニュース 【報道発表】
東京都環境局
新日本石油株式会社
トヨタ自動車株式会社
日野自動車株式会社
東京都交通局
第二世代バイオディーゼル燃料実用化共同プロジェクトについて
東京都、新日本石油株式会社(社長:西尾 進路、以下新日本石油)、トヨタ自動車株式会社(社長:渡辺 捷昭、以下トヨタ自動車)、日野自動車株式会社(社長:近藤 詔治、以下日野自動車)は、最新技術を活用した「第二世代バイオディーゼル燃料」の実用化に向けた共同プロジェクトを始めることとなりましたのでお知らせします。
東京都は、1月26日にカーボンマイナス都市づくり推進本部を設置し、民間企業や都民の皆さんとともに大幅な二酸化炭素排出削減を目指す取組みである「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」を開始することといたしました。本プロジェクトは、先進的な企業とともに進める温暖化対策プロジェクトの第一弾として、東京都・新日本石油・トヨタ自動車・日野自動車が共同で実施するものです。
新日本石油とトヨタ自動車は、平成17(2005)年より、バイオ原料油の水素化処理技術を共同で開発してまいりました。本プロジェクトでは、新日本石油が試験製造したバイオ原料油の水素化処理油(Bio Hydrofined Diesel:BHD)について、トヨタ自動車・日野自動車がディーゼル燃料としての優れた環境性能を確認します。また、平成19(2007)年度中を目処に、都営バスを使ってバイオ原料油の水素化処理油(BHD)の温暖化対策としての有効性を示すデモ走行を実施いたします。あわせて、国内における供給体制に関する検討も進めてまいります。
記
1. プロジェクト名
第二世代バイオディーゼル燃料実用化共同プロジェクト
2. プロジェクト概要
揮発油等の品質の確保等に関する法律の上限である5%を超えて軽油に混ぜて使用することが出来る第二世代バイオディーゼル燃料の実用化を目指す次の取組みを行う。
第二世代バイオディーゼル燃料(BHD)の環境性能の確認
都営バスでのデモ走行
国内での供給体制の検討
※都では、この実用化プロジェクトと同時に、増加の著しい運輸部門から排出される二酸化炭素削減を率先して進めるため、第二世代の実用化を待たずに今すぐ使える第一世代バイオディーゼル燃料(FAME)を5%混入した軽油を、平成19年度から都営バスで導入いたします。この率先導入に関する供給事業者の公募については近日中にお知らせいたします。
第二世代バイオディーゼル(BHD)実用化共同プロジェクト資料
BHDデモ走行の実施
BHD実用化に向けて燃料メーカー、自動車メーカーの協力を得ながら近い将来に実用化すべき新技術としてのBHDの有効性を示すデモ走行を都営バスの一部の車両で行う。
デモ走行に用いる車両は2台程度
使用燃料はBHD10%混合軽油
実施時期は平成19年度中を目指す。
(参考:関係者とその役割)
燃料メーカー 新日本石油
燃料の開発・製造・品質管理、デモ走行用燃料の供給
自動車メーカー トヨタ自動車、日野自動車
燃料の開発、デモ走行前の自動車影響の確認、デモ走行車両の事前・事後における評価
東京都 交通局、環境局
デモ走行車両の運行、燃料供給や車両点検における協力
デモ走行の意義の広報、原料調達の仕組みの構築
デモ走行後の展開
デモ走行結果の総括
BHD利用の結果を総括し公表
国内での供給体制の検討
原料調達、BHD製造に関する検討
------------------------------------------------------------------------
参考
平成19年度に東京都は都営バスにおいて二つのバイオディーゼル燃料を率先導入します。いずれも東京都が進めてきた大気汚染対策の成果を損なわずに、バイオ燃料を活用して地球温暖化対策を進める取組みです。
第一世代(FAME)は今すぐに始める取組み
●法律で規格化されたFAMEは軽油に5%まで混合して使える。
自動車燃料として軽油に混合するFAMEは「揮発油等の品質の確保等に関する法律」に基づく規格化が行われ、本年3月31日以降5%までの混合が認められる。
◆ポイント
FAME5%混合軽油を使えば、CO2排出量を5%削減できる。
●FAMEを活用するために適正利用のノウハウが必要。
FAMEの活用に当たっては酸化の防止など当初の品質を維持するための適切な管理が必要である。また、製造時にも原料(メタノール)や副産物(グリセリン)を十分に除去するなど自動車燃料としての品質を守るためにノウハウが必要である。
◆ポイント
車体や排ガスへの影響を防ぐためにFAMEの利用では適切な管理が必要。
規格に合ったFAMEを、適切に管理して、5%を上限に使用することが大切。
意義 都営バスでのFAME導入事業は・・・
温暖化対策に取り組む運送事業者としてのバイオ燃料の適正利用に関するノウハウを開発し、その普及に当たっての先導者としての役割を果たす。
第二世代(BHD)は高い将来目標に向けた取組み
●原料と製法は異なるがBHDは軽油の成分そのもの。
原料植物を問わず獣脂も含めた広範な原料油脂を石油精製の水素化処理技術を応用して分解し、合わせて雑物を除去して作るBHDの品質は一般軽油の規格に適合している。
◆ポイント
BHDなら車両故障や排ガス悪化の心配が要らず、原料が調達できる範囲で5%を超える高濃度で使用できる。
2020年までに2000年比25%減のCO2削減目標
最新技術の実用化に民間企業とともに取り組み、技術の力で従来の限界を突破し、目標達成への道を具体化する
●実用化の課題は『供給体制』
高濃度利用と量産が可能なBHDは原料油脂の需給に影響を与え易く、食糧問題や自然破壊防止に配慮した原料調達の仕組みづくりが必要。現在国内にないBHD製造装置の整備と量産化も必要。
◆ポイント
供給体制の構築(原料調達・装置整備)を可能な限り早期に行う。
原料調達の仕組みづくりや装置整備への機運を高めることが実用化に向けて重要
意義 都営バスでのBHDデモ走行事業は・・・
日本の高度な石油精製技術でバイオ原料から軽油を作り、実用化後の姿を世に示すことで、将来の利用拡大に向けた取組みをスタートさせる起爆剤としての役割を果たす。
宣伝会議 2007年 1/15号 [雑誌] 販売元:宣伝会議 |
バイオマスハンドブック 販売元:オーム社 |
図解 バイオディーゼル最前線 販売元:工業調査会 |
バイオディーゼル―天ぷら鍋から燃料タンクへ 著者:山根 浩二 |
バイオマス・ニッポン―日本再生に向けて 著者:小宮山 宏,松村 幸彦,迫田 章義 |
バイオマスエネルギー利用技術 著者:湯川 英明 |
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント